[写真]秩父神社

秩父神社は秩父地方の総鎮守で、秩父市の中心市街地にあります。
遠い昔の「知知夫国」(ちちぶのくに)の時代に創建され、2100年の歴史を持つと言われています。

戦国時代に社殿が焼失していますが、徳川家康公の寄進により再建されました。社殿には、立派な彫刻が施されています。
「子宝 子育ての虎」「つなぎの龍」が左甚五郎作と伝えられるほか、「北辰の梟(ふくろう)」「お元気三猿」などの彫刻があります。

三峯神社・宝登山神社とあわせて「秩父三社」と呼ばれ、秩父札所34ヶ所とともに多くの方が参拝されます。

神社正面

秩父神社は国道299号線に面しています。神社前が変形の交差点になっており、参道である番場通りが南の秩父線御花畑駅方面へ延びています。

[写真]神社正面
[写真]神社正面
神社正面である南門の鳥居と社号標石。

下境内

鳥居をくぐると下境内となり、すぐ左手が手水舎です。右手には神馬舎(秩父夜祭の時には御神馬が見られます)や、社務所などが入る平成殿が並びます。正面の階段上が神門です。

下境内は、夜祭の際には山車(屋台・笠鉾)が入り飾り置きなどが行われます。左側には神楽殿や本町屋台庫もあります。

[写真]神門
下境内から見た神門

社殿と彫刻

秩父神社の社殿は、戦国時代の永禄12年(1569年)、武田信玄軍の侵攻により秩父の他の寺社とともに焼失しています(信玄焼き)。天正20年(1592年)に徳川家康の寄進で再建され、その後現在の形になりました。
社殿や天正20年の棟札などが、埼玉県の有形文化財に指定されています。

秩父神社で目を引くのが、社殿の彫刻です。正面左手に「子宝 子育ての虎」の彫刻があります。豹の姿で描かれた母虎が、子虎とたわむれています。

また、東面には「つなぎの龍」の彫刻があります。この龍は、魂が宿り田畑を荒らしたため鎖でつなぎ止められたなどの伝承があり、今でも彫刻に鎖が巻かれています。「子育ての虎」や「つなぎの龍」は、左甚五郎作と伝えられています。

北面には「北辰の梟(ふくろう)」、西面には「お元気三猿」の彫刻があります。

[写真]子宝 子育ての虎
正面の虎の彫刻。右が「子宝 子育ての虎」の母虎(豹)・子虎。

[写真]鎖を巻かれた「つなぎの龍」
鎖を巻かれた「つなぎの龍」

御由緒

[写真]妙見宮の社号額

現在は、八意思兼命(やごころおもいかねのみこと)、知知夫彦命(ちちぶひこのみこと)、天之御中主神(あめのみなかぬしのかみ、妙見星神・鎮宅霊符神)、秩父宮雍仁親王がお祀りされています。

秩父地方の中心となる神社で、武蔵国ができるまえにあった知知夫国(ちちぶのくに・知々夫国/秩父国)の一ノ宮(新一ノ宮)とも言われます。
秩父市街地の旧名は「大宮郷」(→大宮町→秩父町→秩父市)ですが、これは秩父神社に由来しています。(埼玉県には「大宮」の町が、秩父大宮と現・さいたま市の氷川大宮にありました)

中世以降は秩父大宮妙見宮・秩父妙見宮として北辰(北極星)・北斗(七星)の妙見信仰で栄えました。明治の神仏分離により仏教の「妙見大菩薩」から代わり、同一とみなされる神道の「天之御中主神」としてお祀りされています。

秩父夜祭

12月3日の「秩父夜祭」(前日の12月2日が宵宮。神社の祭礼は12月1日~6日)は、秩父神社の例大祭(冬まつり)です。

冬まつりの山車は6台あり、国の重要有形民俗文化財に指定されています。「笠鉾」が2台(中近・下郷)、「屋台」が4台(宮地・上町・中町・本町)です。

また、屋台で毎年持ち回りで行われる秩父歌舞伎や曳踊りなどは、秩父神社神楽とともに国の重要無形民俗文化財です(「秩父祭りの屋台行事と神楽」)。

秩父夜祭は、日本三大曳山祭・日本三大美祭の一つに数えられるとともに、冬の花火大会でも知られています。

この日、秩父神社の女神様(妙見様)と武甲山の男神様(蔵王権現、蛇神様・龍神様)が、御花畑・団子坂の上の御旅所で年に一度の逢瀬を楽しまれるといわれています。

[写真]秩父夜祭
[写真]秩父夜祭
秩父夜祭

「あの花」

秩父神社は、アニメ『あの日見た花の名前を僕達はまだ知らない。』(あの花)の第2話で登場します。

[写真]参道(番場通り)から見た秩父神社
参道(番場通り)から見た神社前の交差点。手前右手には八幡屋本店の自動販売機。左手には「妙見の森公園」があります。

[写真]あの花イルミネーション
妙見の森公園の「あの花」オブジェ(あの花イルミネーション)

「あの花」についてはこちらもご覧ください

アクセス

〒368-0041 埼玉県 秩父市 番場町 1-3

電車

秩父線
・「秩父駅」下車 徒歩約4分
・「御花畑駅」下車 徒歩約10分

西武線
・「西武秩父駅」下車 徒歩約15分

関越道「花園IC」から国道140号線・皆野寄居有料道路利用で約25km
圏央道「狭山日高IC」から国道299号線利用で約40km

駐車場は、神社の参集殿横(まつり会館通りが入口)に参拝用の短時間駐車場があります。ただし利用できない日や満車になる場合があります。

近隣には、本町の国道299号線沿いや秩父駅などに有料駐車場があります。なお、休日などは神社周辺の道路が渋滞することがあります。

リンク

秩父神社
http://www.chichibu-jinja.or.jp

秩父まつり会館
http://www.chichibu-matsuri.jp

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神社

「あの花」聖地巡礼

宝登山神社
秩父郡長瀞町 宝登山の麓に鎮座。秩父三社。

三峯神社
秩父市大滝地域 奥秩父の山上に鎮座。秩父三社。